平成生まれの医師のブログ

平成生まれの医師が医療、時事、趣味などを綴ります。

CASEで渋滞がなくなる

企業が技術を主導する

 最近の自動車業界の話題といえば、CASEでしょう。C=Connected, A=Autonomous, S=Shared, E=Electricの頭文字です。しかし、一般大衆が求めているというより、企業側が勝手に盛り上がっている印象を抱きます。企業側としては高価な車を売りたいという思惑があるはずです。衝突安全性、ハイブリッド、エコエンジン、自動ブレーキ、オートクルーズと車の機能がどんどん強化されて、値段もどんどん上昇しています。一方でこれらの装備がない簡素な車は減って、一般大衆は高い車を買わざるを得なくなっています。先進国では自動車販売台数は頭打ちなので、単価を上げる戦略なのでしょうね。

 

スマホを持ってプリウスのタクシーに乗る

 問題はユーザーが高いお金を払ったなりの納得が得られるかどうかです。CASEな車がある生活はどんなものでしょうか。

 これに近いものはすでに体験できます。スマホを持ってプリウスのタクシーに乗ればいいんです。

 

 スマホ=最も普及したconnectedな機器

 タクシー=他人が運転するので実質AutonomousかつShared

 プリウス=全世界で最も売れているElectricな車

 

 この体験にCASEな車が勝るのでしょうか? CASE普及のためには、今後、消費者も企業も社会も高いコストを払う必要があります。そこまでして実現する価値があるのでしょうか?

 

渋滞がなくなる魔法

 CASEな車が普及する大きな利点は、渋滞がなくなることだと思います。

 例えば、信号待ちに車が並んでいるとして、信号が青に変わると、現代の車では先頭の車から順番に発進することになります。信号が見えない位置にいるドライバーは前の車が発進してからでないと自分も発進できません。そして前車が発進してから自分が発進するまでにタイムラグが生じます。反射神経の問題です。スマホをいじってたりするともっと遅れます。このタイムラグが積み重なることで、長い信号待ちの列では後ろの車ほど発進に時間がかかり、取り残される車が生じます。

 仮にプロスポーツ選手級の反射神経を持つドライバーの車が並んだとしてもそれほど状況は変わらないでしょう。

 取り残された車が並んでいる信号に次の信号待ちの車が加わることで、信号待ちの列はどんどん長くなり、渋滞に発展します。

 これがCASEな車だけになるとどうなるでしょうか? 信号が青に変わった瞬間、信号待ちで並んでいる車が同時に発進します。自動運転とコネクテッド(常時通信)によって、信号と連動して協調制御されるわけです。タイムラグと取り残しは最小限で、最も多くの車が次の信号に向かうことができます。

 無茶な右左折による交差点での立ち往生もなくなるでしょう。特に都市部での渋滞緩和には大きな恩恵があると思います。

 CASEの特にCとAの恩恵によって都市部の渋滞が解決するのではないでしょうか。